むし歯とは
むし歯の治療方法と2次う蝕
材料の進歩によって、以前は金属でしか歯科治療できなかった規模のむし歯も目立たない白いプラスチックで治療できるケースが増えてきました。
しかし現在の保険の治療では、むし歯のできた部位や規模によってはやはり金属で歯の修復をしなくてはなりません。
ここで大切なことは、治療をした歯もまたむし歯になるということです。治療した歯に再びむし歯ができることを『2次う蝕』といいます。2次う蝕を防ぐには、歯と材料との隙間を以下に小さくするかが問題なのです。
一般的に、材料と歯との隙間は200μm以下が理想的と言われていますが、実際には自費の治療でさえ明らかに適合の悪い修復物を見かけるのが現実です。当院では、保険の治療でも最低100μm以下の誤差を目標に治療をしています。
治療後も虫歯にならないよう、誠心誠意ていねいに治療いたします。
神経を取るとは?
神経を取るとどうなるの?
では、やむを得ず神経を取り除いた歯は、その後どうなるのでしょうか?
まず、神経を取り除いた歯は痛みを感じる細胞そのものがなくなりますから次にむし歯(2次う蝕)になってしまっても気付き難くなります。また、歯に入ってきている血管もなくなりますので、言わば歯が枯れた状態になってしまいます。水分含有量の減った歯は木の枯れ枝と同様にもろくなり、割れる可能性が高くなります。また、神経を取ることによって歯を支えている組織の血流量も減少するために、歯周病の進行が速まるということも、最近の研究で分かってきています。
従って総合して考えると、結果として歯の寿命が短くなってしまうのです。
ただ誤解されては困るのですが、神経を取ること自体が悪いことなのではありません。もしも適切な時期に神経を取る処置を受けずに放置すると、菌があごの骨の中にまで侵入し、骨が腐ることさえ起こり得るのです。
ですから、必要に応じて神経は取らなければ大変なことになるのです。一番大切なことは、歯髄に至るような大きなむし歯を作らないこと、そしてやむを得ず神経を取ることになってしまったら、痛みがなくとも歯医者に半年に1回は検診に行って2次う蝕と歯周病が進行していないかを、点検するようにしましょう。ご自分の歯を守るために。
歯周病とは
歯周病の進行と改善した歯肉
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初期の歯周炎
歯周炎の原因はお口の中の歯周病菌です。初期の段階であれば、歯石の除去と歯磨きを徹底することで改善が期待できます。
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中程度の歯周炎
歯肉に赤みと腫れが出てきます。歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケット)の中に歯石ができて、歯茎の中の骨(歯槽骨)が侵され始めます。
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重症の歯周炎
歯肉の腫れが強まり、歯槽骨の浸食が進行すると、歯に揺れが出てきます。麻酔をして歯茎の中の掃除をしたり手術が必要な場合さえあります。
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治療後のメンテナンス
歯周病治療に終わりはありません。改善した歯ぐきを維持するためには、定期的に歯茎の中をクリーニングする必要があるのです。
画像出典:日本歯科医師会